コンビに業界も飽和している?

竹村:株本さん。『新生ファミリーマート』の新戦略の背景はどのようなものだと思いますか?

株本:コンビニ業界の飽和だと思います。

竹村:まさにその通りで、飽和状態になっています。ただ、一般的な飽和とは店舗数の頭打ちですが、コンビニにとっては既存店の売り上げになります。コンビニは既存店の前年同月比が全てです。新規店を増やして全体の売り上げを積むのは、本来の指標としてはそこまで重要ではありません。それでは成長とは呼べません。既存店の前年同月比を更新していくことが重要なのです。

株本:1店舗あたりの売り上げの上昇が成長につながるということでしょうか?

「セブンイレブン」もついに伸びが止まる!

竹村:日販といいますが、それが伸びていかなければなりません。「セブンイレブン」は62ヶ月間前年同月比をクリアしていました。5年間にわたって既存店の前年同月比が上がっていたのです。それが今年の10月にとうとう下回りました。11月も引き続き下り調子です。原因は台風にあるとされていますが、台風は例年ある災害なので関係ないはずです。長年にわたって日販を伸ばしてきた「セブンイレブン」ですらも既存店の伸びが止まり、コンビニ業界全体が危機感を覚えています。

もともと「ローソン」、「ファミリーマート」はとうの昔に既存店の前年同月比が割れています。「セブンイレブン」との差が開いていく中でのこの状況は、退廃の予兆に見えるはずです。劇的な打開策を求めるオーナーたちの悲鳴が数字となって表れています。コンビニは常に新しい波に乗っていなければなりません。商売は変化対応業といいますが、コンビニはその最先端を走る必要があります。ただ、今までのような商品戦略レベルの変化対応では時代に追い付けません。先日の『カンブリア宮殿』で澤田社長が、飽和ではない、24時間のコンビニは成長する、さまざまな手を打っていくというふうにおっしゃっていました。「ファミリーマート」は大胆に動くことで、この閉塞感を突破しようと四苦八苦しているのです。

株本:コインランドリー、ジム以外も着手する可能性はあるのでしょうか?

1%が1000億円に相当!

竹村:可能性はありますし、失敗しても挑戦し続けるしかありません。例えば好きなコンビニのアンケート、あれで「セブンイレブン」派が1%でも「ファミリーマート」派に変われば、1000億円が動くといわれています。そのぐらい市場規模は大きいのです。澤田社長が大振りをしてホームランを放つか、あるいはヒットを積み重ねて次のステージに上がるかはわかりませんが、業界としては今、大きな変革期を迎えているといえます。